歯科用レーザー治療について
歯科医院で使用するレーザーには下記の様な種類があり、それぞれ特徴があり治療内容に応じて使用します。
医療用に用いられるレーザーには多くの種類があるが、現在歯科治療に利用されているのは、次に挙げる4種類が主とされています。
種類によって波長が異なるため、水分、ハイドロキシアパタイト(骨)、ヘモグロビン、メラニン色素など、レーザーが効果を発揮する物質や組織も異なります。
■炭酸ガスレーザー
主に歯肉切開、口腔内殺菌や凝血など軟組織用レーザーとして用いられ、日本の歯科医院で最も多く普及し、水に吸収されやすい特性を持っていますので歯科にも多く使用されています。
エネルギーのほぼ100%が組織の表面で吸収される「非透過性」レーザーで、周辺組織へのダメージが少ないというメリットがあります。歯茎の切開などのレーザーメスしての利用のほか、軟組織の止血・蒸散・凝固、歯周病治療などに使用されています。
■半導体レーザー
低出力タイプと高出力タイプの2種類があり、主に粘膜や歯茎の腫れや、炎症、痛みなどの緩和を目的とした治療で使用され、歯肉切開や知覚過敏などの軽度の軟組織治療に有効です。
歯茎の切開、知覚過敏や痛みの緩和、殺菌、ホワイトニングなどに用いられるほか、ヘモグロビ
ンの吸収がよいことから高い止血効果を持ちます。
■Nd:YAG(ネオジムヤグ)レーザー
止血効果が特に優れており、外科手術に有効で、歯科だけではなく医療全般で広く使用されています。炭酸ガスレーザーは「水分」に反応し、YAGレーザーは「色」に反応します。
「組織内部透過型」レーザーで、知覚過敏の治療や歯周病による腫れ・痛みの軽減などに用いられることが多い、ほか顎関節の痛み、神経まひの治療などにも利用されています。
■Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザー
レーザー光を水で冷却しながら使用するため、熱の発生が抑えられることで、痛みが少なく済むので、虫歯を削ることや、顎の骨を削る治療に特に優れているとされています。
歯や骨などの硬組織を削る場合、健康保険が適用となる唯一のレーザーで、広く使われています。
生体組織の水分に対する反応が高く、発熱が少ないため、周囲の組織への影響を抑えることが可能で、また、水を併用しながら治療を行いますので、痛みの発生も少なくて済みます。
むし歯や歯周病、口内炎、知覚過敏などの治療のほか、歯茎のメラニン色素除去などにも利用さ
れています。